R Advent Calendar 2018の11日目の記事です。
同僚(非Rユーザーのプログラマー)に、Rの良い本を教えてほしいと言われたので、私が良いと思うRの本を挙げていきます。
他の言語のプログラマーがRの言語仕様を把握し、Rで書かれたコードを理解したいケースを想定しています。
入門書
RStudioではじめるRプログラミング入門
良い入門書だと思います。
序文に
人は、読むことではなく、することによって学習するのである。
とあります。この本はまさにリファレンスではなく、手を動かしながら学ぶチュートリアルって感じですね。
著者がRの言語仕様を良く理解した上で、明快に解説している感があって良いです。
ベクトル化コード、クロージャを使った変数のカプセル化、ジェネリック関数によるオブジェクトシステムなどは、それらに触れるのが初めての人には読み応えがあると思います。
原著はwebで公開されています。
言語仕様
R言語徹底解説
私が今まで読んだ中で最高のRの本です。R界の神、Hadley WickhamがRの難解な仕様をまさに徹底解説しています。
関数型プログラミング、非標準評価、DSL、コードの最適化など、興味深い話題もたくさんあります。
Rはかなり癖のある言語なので時にイライラさせられるが、それでもRが本質的にはエレガントで美しい言語であり、データ分析や統計処理を実行するのに適した工夫に満ちていることを、本書を通じて示したい。
原著はwebで公開されています。
パッケージ
Rではじめるデータサイエンス
Rの魅力は(癖がありながらも)強力な言語仕様と、それに支えられた便利なパッケージ群でしょう。多くのwebプログラマーがRailsのためにRubyを書くように、多くの分析者はtidyverseでデータ分析するためにRを書きます。
この本はtidyverseのパッケージ群を使ってデータ分析を行う方法を作者本人が解説しています。
など、実務で必要なところを拾い読みするだけでも良いと思います。
原著はwebで公開されています。